町工場などの製造業は、社長がお父さん、お母さんが作業員兼経理、息子が職人、社員が数名などといった状況が多く極めて厳しい状況です。
製造内容では、自動車や機械などのパーツ製造が多く、そのほとんどが大手・中小企業からの受注です。そのパーツ製造でも一社だけで完結するものではなく、町工場同士が連携しあって一つのパーツを製造することが多く、お互いに相互関係にあります。
最近では、大手企業を筆頭に海外生産が多くなり、その影響を受け受注が減少するということが起きています。
特に金属加工などの分野では、海外工場に工作機械や金型さえあれば生産が可能といった理由から海外流出が多くなっています。
しかし、大手企業が海外に転出することに目を付けた町工場も多く存在します。海外に大手企業の製造現場が移転すると、生産拠点が海外のため新規の試作品などの製作が難しくなってきます。
そこに目を付けて、従来パーツ製造等に使っていたマシニングセンターやNC工作機械などを使い、試作品を製造する町工場が現れました。
3Dプリンターなどで、外形を把握することができても、実際の本製品の素材で試作しないことには、製品の試験などができません。
そのため、実際の素材で試作できるということを強みにしているところも多くあります。
通常の量産品と違い、一品物である試作品は非常に利益率も高くなります。
複雑な試作品の製造依頼などでは、町工場同士が連携し一つの試作品を完成させるといったことも行っています。
最近では少量多品種の製造も多く、そのような少量多品種の生産は大手企業では対応することが難しく、ましてや海外で生産していたのではコストが高くなり対応できません。
その点小回りの利く町工場がそのような少量多品種の製造を手掛けることで、利益率の高い仕事を得ています。
また、過去の技術の蓄積を利用し大手企業などに提案型の営業を行ったり、町工場同士で連携し一つの共同体のような立場から製造を行うなど新しい形のスタイルを確立させている町工場も存在します。
この記事は"町工場 生き残りの模索"というタイトルで職人ネットワークが外部に依頼したものです。
投稿日時:2017年8月22日18:08